« クライストチャーチ写真集 Kia ora! Christchurch for iPad 公開 | DEEP KICK.com Blog | Yahoo! JAPAN! が、アプリ検索機能を追加 »

2011年3月 9日

沖縄紀行シリーズ第4弾「基地の島と慰霊の旅編」が公開

このエントリーをはてなブックマークに追加

本日、沖縄写真集・沖縄紀行第4弾「基地の島と慰霊の旅編」のiPad版とiPhone版が、App Storeで無事に公開されました。正直いって感無量という気分です。思えばずいぶん長かった。しかし、しかし、ようやくここまで辿り着きました。

例えて言うなら、心血注ぎ込んで300ページの単行本を書き上げて、ようやく北千住・ルミネのブックファーストかマルイの紀伊国屋で、あるいは池袋のジュンク堂で、自分の本が「平積み」になって並べられているのを眺めるような、そういう充実した気分です。

今日はもうすぐ寝ますが、その前にとっておきのシングルモルト「Macallan Cask Strength」(アルコール度数58.2%)をストレートで軽くやりながら、今の気持ちをここに記しておきたいと思います。

まず誰よりも先に、今は亡き、私の琉球大学時代の恩師であり、言語学者であり、宮古島方言研究の大家・名嘉真三成教授の御霊にご報告したい。私は、教授の下で学んでいた頃は、ほんとうにつまらない学生でしたが、今こうして、自分が沖縄について表現したかったことを、自分なりにまとめて、iPhone/iPadアプリという形ではありますが、世に出すことができました。これというのも、教授のおかげです。願わくば、教授が生きていらっしゃった時に、こういうご報告をきちんとしたかったのですが、無念です。ですが、きっと教授はどこかで見ていてくださっているでしょう。そう信じたい。そういう想いが、私をここまで引っ張ってきてくれたのだと、そう思います。だから、私の沖縄紀行シリーズは、その冒頭に記してありますが、すべて名嘉真教授に捧げるつもりで執筆・制作しました。教授の下で4年間、多くのことが学べたのは、本当にラッキーなことでした。

話は少し遡りますが、私はどういうわけか、琉大生の当時、名嘉真教授に非常にかわいがられました。名嘉真教授も助教授から教授になったばかりで、失礼ながら初々しい感じに見えました。何度か飲みにも誘っていただき、さまざまなことを教えていただきました。また卒業時には、あちらこちらへ推薦文を書いてくださるなど、特に期待を寄せていただいたような記憶がありますが、しかし私は当時、まったく礼を欠いていたと言いますか、教授のさまざまな好意を理解しようともせず、世の中をナメていたと言いますか、今でもそういうところは多々ありますけど、まったくもって、ふざけた生意気な学生でした。さまざまな意味において、若かったのです。

琉球大学を卒業して東京に出てきてからも、ずいぶん長いこと教授のことを忘れておりました。今、思えば取り返しのつかない、本当にすまないことをしてしまったと思います。

私は東京で苦労しながら、少しずつですが、自分がいかに井の中の蛙で、世の中を知らずに生きていたかを知り、教授の親切を思い出しては、いつかきちんと御礼を言わなければならない、何も告げず、卒業式にも出席せず、実家が阪神大震災で被災したという事情もありましたが、ある日突然消えるように教授の前から去ってしまった私のその後を気にかけているのではないだろうか、今からでも遅くはないから、教授に御礼を言いにいこう、そう思って懐かしい琉球大学に立ち寄ったのは、卒業してから8年ほどの時間が過ぎ去った後のことでした。

私はキャンパスの教授の研究室を探しましたが、どこにも見つからず、途方に暮れて、学部の受付のようなところに行き、名嘉真教授の研究室はどこかと思い切って尋ねてみたところ、そこで教授が数年前に亡くなったことを知りました。私はその場で絶句し、立ちつくすしかありませんでした。思いも寄らないことでした。まだ年齢的には若いはずの教授が既に他界していたとは、まったく頭にありませんでした。

そのうち御礼を言いにいけばいいだろう、そうタカをくくっていた私の願いは、永久にかなわないものであることを、そのとき瞬時に知ったわけです。まったくもって、私は浅はかでバカでした。

それ以来、私は教授に感謝の気持ちを伝えたいという気持ちを持ったまま、教授がこの世にもういないという状況を生きていくことになりました。どうすれば、教授に感謝の気持ちを伝えることができるだろうか?それにはやはり、教授から教えていただいたことを自分なりの考えで広げて表現し、それを世の中に出して、教授に捧げることではないかと、私はそう考えましたが、そのような思いは非常に漠然としており、そのような機会はなかなか訪れませんでした。

さらに長い月日が雲のように流れ去っていきましたが、ようやく今日、私は沖縄紀行を完成させ、世の中に送り出しました。私の想像に過ぎませんが、おそらく名嘉真教授も、あの穏やかな表情で、喜んでくれたのではないかと思います。

Macallanの酔いも回ってきました。今日はもう、寝ます。久しぶりに教授と再会し、語り合えた気がします。

明日からは、また新たなことにチャレンジします。今日は私にとって、ひとつの区切りです。

投稿者 kaoru : 2011年3月 9日 02:19

このエントリーをはてなブックマークに追加

contents
about
contact
Photo Gallery
blog
iPhone/iPad アプリ
Kindle book
portfolio